以前、作った動画「いつかどこかの物語」の原案です。
いつかどこかの物語タイトル02b


内容は、動画制作した部分と、それと同時に考えていた、その後の物語です。

※動画は一番下にあります。


映像(と音楽)だけで表現するための内容となっている為、文字で同じものが伝わるかどうか・・という不安がありますが。


ずっと腹に抱えたままなのも良くないので、ここで全部書き出すことにしました。
現状では続編製作の予定もありませんし。(現時点では撮影不可能)


あと先に言っておきますが、動画を見て、これと違った解釈をされても問題ありません。 それも正解です。

これは、お伽噺。 様々な受け止め方をしてくれた方が嬉しいです。


長い文章になりますが、ご容赦ください。

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いつかの時代、どこかの場所の、「いつかどこか」の物語【原案】


【1】


戦乱の時代。

廃村となった村に一人の少女がいた。

戦火に焼かれた村の、ただ一人の生き残り。

少女は、荒れた畑を掘り起こしては、残された幾ばくかの作物を探す日々を送っている。

ある日、少女は、食べ物を探している最中、岩場で一人の忍者と遭遇した。

少女は驚いた。



その忍者は、戦地へ向かう途中であった。
仲間との合流に、この廃村を選び、そこで仲間を待っていた。


その無人と思っていた村に、人がいる。

遭遇して驚いたのは、少女だけではなかった。

驚いた少女は走り去り、忍者は立ちすくんだ。


次の日、少女は別の場所で食べ物を探した。

しかし気がつくと、狼がすぐそばまで来ていた。

身の危険を感じた瞬間、人影が現れ、狼は死んだ。

突然の事の連鎖に驚き、走り去る少女。

何が起こったのかを理解するのには、少し時間がかかった。

気持ちが落ち着いた少女は、助けてくれた忍者を探した。



程なくして、忍者は見つかった。

忍者は、先日、遭遇した場所(合流場所)へ戻る所だった。

忍者が、少女の気配を感じて歩みを止めた。

少女の歩みも止まる。

忍者が再び歩き出すと、少女もそれに合わせて付いてきた。

怒鳴るわけにも行かず、力ずくで突き放すわけにも行かず。

忍者は困ってしまった。

歩いては止まる。 ただそれを繰り返すしか出来なかった。

少女の方は、少女の方で、自分の心に起こっている事を分かってはいなかった。
言葉にならない感情が生まれ、それに押されるように、ただただ後を追っていた。

二人の心の押し問答が続いた後、遂に忍者が折れた。

好きにしろ、と思い、その後は立ち止まって牽制することなく歩いた。

夕刻。

忍者は、少女の住む小屋で一緒に寝た。

少女は久々に、深い眠りに付いた。



翌日。

忍者は、少女と一緒に食べ物を探した。

平和な時代なら平凡な事だが、少女にとっては宝物のような時間であった。

食べ物を探し終えると二人は、出会った岩場へ向かった。

仲間の忍者を待つため。 少女には何も伝えていない。

岩場に腰掛ける二人。


長い時間じっとしていた少女だったが、少し身体を動かしたくなった。

といっても遊ぶ訳ではない。 動く=食べ物を探す、である。
忍者の姿が見える範囲で、何か食べられそうな物はないかと探した。

忍者は、少女の気配を感じながら、座っている。

少し陽が傾いてきた頃、待っていた仲間がやって来た。

立ち上がる忍者。 次の戦場へ行かねばならない。



別れ。

忍者は少女に向き合い、一輪の花を渡した。

特別な花ではない。 周囲を見回して、その中で目立っていた花を摘んだだけだ。

だがそれに、帰ってくるという約束と、それが守れないかもしれないという事の詫び、更に、生きてほしい、という想いを込めた。

仲間の忍者は何も言わなかったが、状況は察してくれた様だった。


そして駆け出す忍者たち。

荒れ果てた地に、子供を、再び一人きりにしなければならない。


背中に、少女が駆けて来るのを感じつつも、忍者はそのまま走り去った。



戦争は熾烈を極めた。

泥臭い戦い。

勝者も敗者も分からない。

いつしか動く者はいなくなり、炎が揺れるだけになった。




翌朝。

再び一人きりになった少女が、食べ物を探している。
以前と全く同じ事が繰り返される。

ただ一つ、少女は以前とは違った行動をする様になった。

時折、何かを感じたかのように岩場に駆け寄り、道の遥か先を見つめるのだった。



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【2】


岩場に座って遠くを見つめている少女。
どれくらい、これを繰り返しているか分からない。

ある日、そこに二人の少年やってきた。 彼らも孤児。 戦火を逃れて辿り着いた。


二人は少女に話しかけ、一緒に行かないかと誘う。 が、少女は此処を離れないと言う。

廃村だが、寝泊まりできる小屋があるという事で、少年たちは此処に留まることにした。

その日から三人一緒の生活が始まった。

一緒に食べ物を探した。 一緒に遠くを眺める事もした。

ただ、食べ物がそれほどあるわけでもなく、ある日、少年の一人が体調を崩し、倒れた。

何も出来ず、少年は息を引き取る。



そこから月日は流れた。

戦乱は収まりつつあった。

廃村だった地には、戦火を逃れて来た人が少しずつ集まって、徐々に活気が出てきた。
畑を耕すことも始められている。

畑を耕す人の中に、一人の女性がいた。

かつて、この村でたった一人、生き残った少女だ。

その女性の近くでは、小さな男の子が、石を運ぶ手伝いをしている。
彼女の子供である。

少女は、生き残ったもう一人の少年と夫婦になり、母親となっていた。



ある時、とても爽やかな日があった。

一仕事終えた女性は、やわらかい風に誘われるように、子供を連れて村の外に出た。

子供は駆け出して、草むらを覗き込んだりしている。

心地よい夕暮れ時。

気がつくと、あの岩場に来ていた。

子供の頃から何度も見ている景色。


その時、耳元に、そっと風が吹いた気がした。

女性が、その感触に気を取られていると、いつの間にか、子供が目の前に立っていた。

しゃがみ込んで、子供と目線を合わせる。

すると子供は、一輪の花を差し出してきた。

女性は驚いた。

その花、その仕草は、かつて見た光景と、そっくりだった。




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以上です。

後半は、大半がシルエットで話が進むことを想定しています。
極めて難しいのですけれど。







動画の出だしは、頭の中で「戦場のメリークリスマス」を流しながら撮りました。

最後は、本を閉じるような感じにしたつもりです。
そしてクレジットは、涙が本に落ち、染み込む様をイメージして作りました。


これで全部、出したかな。


得体の知れない記事に、最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。